相続税対策

雑種地と宅地の違いとは?もし不明な場合、裏技があるんです…

※2019年8月更新

雑種地は、登記簿の地目でもありますが、雑種地と宅地の違いなど、かなりわかりにくい土地です。相続税評価における市街化区域内の雑種地の評価のための計算式は、

(宅地であるとした場合の1㎡の価格-1㎡当たりの宅地造成費)×地積

となっています。つまり、単純に言って宅地と比較して宅地造成費分だけ評価額が下がるのです。更に、市街化調整区域内の雑種地の場合は、上記市街化区域内の計算式で算出された評価額に更に0%~50%の割合を乗じますので、雑種地の評価額は極めて低くなります。

そのため、相続税申告に当たっては雑種地であることによるメリットを最大限生かさない手はないのですが、雑種地とはそもそも何かということを理解していなければ適切に上記の評価方法の適用ができません

今回こちらの記事では雑種地について深く追っていき、雑種地と宅地の違いについても説明していきます。

そもそも雑種地とは何?

雑種地には、実は明確な法律的な定義はありません。法律に定義されている土地の地目は、

  1. 宅地
  2. 山林
  3. 原野
  4. 牧場
  5. 池沼
  6. 鉱泉地

の8つです。そして、上記①~⑧のどれにも当たらない土地が雑種地と定義されていますので、そもそも雑種地とは何かということ自体が分かりにくくなっています。

また、相続税の土地評価では、登記簿上の地目が仮に宅地や山林であっても、実際の利用現況が異なる場合は実際の利用状況の地目として評価を行います。例えば登記簿上の地目が宅地であるが、現実の利用状況は駐車場であれば地目は雑種地として評価されますし、登記簿上の地目が山林であっても現況が住宅の敷地等として利央されていれば、宅地として評価されます。

雑種地の例

雑種地とは①~⑧のどれにも当たらない土地と説明しましたが、経験のない人ではよく分からないかと思いますので、雑種地の具体例を見ていくことにしましょう。

雑種地の例1『駐車場』


最も一般的な雑種地としては、駐車場です。
土地が舗装されていない平置きの青空駐車場は勿論雑種地ですが、アスファルトで舗装されている駐車場であっても相続税評価上は雑種地と判定されます。
また、土地の上に例えば駐車場入り口の管理事務所が設置されている場合や、2階程度の立体駐車場となっている場合も、土地は雑種地として評価されます。

駐車場は、元々建物の敷地として使われていた土地を、建物を取り壊して駐車場としていることも多く、そういった場合は登記簿上地目は宅地となっていることが多いのですが、前段でお話ししたとおり、現況が駐車場であれば相続税評価上は雑種地として評価されます。

 

雑種地の例2『資材置場用地』


倉庫等を建てずに資材の一時保管場所として利用されている土地を資材置場用地と言いますが、これも雑種地の一種です。

市街化調整区域では建物の建築に厳しい規制がかかり新築が難しいため、資材置場用地として利用されている土地が多く見かけられます。

尚、資材置場として利用されていても、建物として倉庫を建築してその建物の中を資材置場として利用されている場合は、建物が建っていますから宅地として評価されます。

 

雑種地の例3『ゴルフ場』

ゴルフ場も雑種地として評価されますが、相続税評価実務上は国税局が評価倍率という固定資産税評価額に乗じる倍率を設定しているので、固定資産税評価額×評価倍率で評価されるため、やや毛色が違います。

雑種地の例4『墓地、境内地』


境内地とは神社やお寺の敷地のことですが、これも前記①~⑧のいずれにも該当しないため、雑種地として評価されます。

その他、水道用地(水源地や貯水池等)や用悪水路(かんがい用水路等)、ため池、公衆用道路、公園、宅地と接続していないテニスコートやプール、高圧線下の土地で建物を建てる等の利用ができない土地等も、雑種地として扱われます。

 

雑種地と宅地の違い、見分け方は?

また『雑種地と宅地の違い』『雑種地と田・畑の違い』についても多く悩まれている方がいらっしゃるようです。それぞれ解説します。

(1)雑種地と宅地の違い

その土地が宅地か雑種地かの判断基準は、「建物が建っているかどうか」です。建物が建っていれば宅地と判断してほとんどの場合問題ありません。但し、バッティングセンターやゴルフ練習場など、広大な土地に比較して建物が小さすぎる場合や、プレハブ等の場合は判断が難しいので税理士・税務署に相談する方が良いでしょう。

(2)田・畑と雑種地の違い

田や畑は、農作物の生育に利用される土地のことです。法律上は「耕作の目的に供される土地」のことを言います。この概念には、現在実際に耕作されている土地の他に、今は耕作されていなくてもやろうと思えばいつでもできるような休耕地も含まれます。これに含まれないものが雑種地となるのが原則です。

市町村に農地として登録されているかどうかで調べればよいのですが、仮に休耕地であったとしても、放置された結果雑草や灌木等が生い茂ってしまい、簡単には農地に戻せないような場合は雑種地と判定されるケースがあります。

雑種地かどうかの判断の注意点

雑種地かどうかは「現状が雑種地かどうか」で判断されます。

相続税申告の際の判断において絶対にしてはいけないことは、登記簿の地目で判断することです。何度も言いますが、相続税申告の際には登記簿の地目は関係ありません。そのため、雑種地の判断の際は、住宅地図やグーグルマップで確認する、現地まで見に行って現状を確認することが原則です。

雑種地かどうか判断がつきにくい場合の裏技があります。

上記の方法を試し、どうしても判断が分からないという場合は税理士や税務署に相談してみることが原則ですが、実は裏技があります。

それは、毎年収める固定資産税・都市計画税の金額と評価額を知らせる固定資産税納税通知書や課税明細書を見る方法です。この書類には、登記簿上の地目と、固定資産税課税上の現況地目が記載されています。このうち、固定資産税課税上の現況地目は、固定資産税担当の役所職員が1月1日時点の現況を見て判断していますから、ここが雑種地であればその土地は雑種地と判断できる可能性が高まります。

ただし、相続税が国税であるのに対し、固定資産税は市区町村税です。そのため、市区町村によっては数年に一度しか現況地目を確認しないところもありますし、雑種地であっても宅地として固定資産税を課税しているところもあり、全国的な統一は見られていないのが現状です。最終的には必ず自分の目で見て、わからなければ税務署や専門家に相談の上、雑種地かどうかを判定しましょう。

まとめ

雑種地と判断されるだけで、その土地の評価額は下がりますので、この判断を誤ると不当に高い税金を納めなければならないことになります。

上で述べたような見分け方をご理解の上、実際に現地を確認して判定するようにしてください。