節税の教科書

【不動産の登録免許税】表題登記と甲区、所有権や区分について詳しく解説!

不動産を買ったり新築したりした時のほか、抵当権を設定して登記した時にかかるのが登録免許税です。

登録免許税は登記の種類ごとに税率が定められています。登記簿謄本には
(1)表題部…その不動産を表示する区分
(2)甲区…所有権に関する事項を記載する区分
(3)乙区…所有権以外の権利に関する事項を記載する区分
の3つの区分がありますが、それぞれについてかかる登録免許税についてお話しします。

表題部の登記

表題部に記載されるのは、土地については所在・地番・地目・面積等、建物については所在・家屋番号・種類・構造・床面積・新築や増築をした年月日等です。

建物が新築されたときには建物の表題部は作られていませんから、所有者は1か月以内に表題の登記をしなければなりません。尚、これを怠ると10万円以下の過料が課されます。

結論から言うと、表題部には登録免許税は課税されません。建物の増改築や用途変更として床面積が変わったり、建物の用途が事務所→店舗に変わったりした場合も同様です。
建物を取り壊して滅失登記をした時や、土地の分筆等で新たな土地が生じた時、合筆で土地が消滅した時、地目を変更した時等も同じように登録免許税は課税されません。

甲区の登記の原則~所有権の保存登記

建物を新築した時、別の大きな土地の一部を買って分筆登記をしてもらって自分名義の所有権保存登記をする場合、甲区に所有権保存登記をすることになります。
所有権の保存登記は税率0.4%となっています。
固定資産税課税台帳に記載されている価格に税率をかけて算定します。
新築建物の場合は、まだ建物の価格が固定資産課税台帳に登録されていないことがほとんどですから、新築建物価格認定基準表によって課税上の建築費を決め、それに税率をかけます。

表題登記を行う場合には土地や建物の登記面積を確定する必要がありますから、一般的には土地家屋調査士に依頼する必要がありますから、登録免許税とは別に土地家屋調査士に支払う報酬は必要になります。

一定の住宅を新築して保存登記をする場合、軽減措置がある

尚、2020年3月31日までは、以下の条件を満たす新築住宅に関しては所有権保存登記の登録免許税に関して軽減税率が適用される特例があります。それが以下の特例です。

①自己居住用の住宅
②新築または取得後(建売業者から買う等)1年以内に登記されたもの
③登記床面積が50㎡以上

これらの条件を満たす場合、所有権保存登記の登録免許税率は0.15%まで減額されます。更に、認定長期優良住宅や認定低炭素住宅に該当する場合は税率0.1%まで減額されます。

ここで注意して欲しいのが、③登記床面積50㎡以上という条件です。
この面積の条件は、建物の登記簿面積で判定します。
一戸建住宅であればあまり問題にはならないのですが、分譲マンションを買われた場合は要注意です。

分譲マンションの場合、登記上は区分所有建物という扱いになります。
区分所有建物の登記簿に記載される床面積は、「内法(うちのり)面積」と言います。
内法面積とは、「壁の内側で囲われた部分の面積」のことです。
一方、分譲マンションが販売される時のパンフレットや物件概要に書かれる床面積は、多くの場合「壁芯面積」です。
壁芯面積とは、「壁の中心部分を結んだ線で囲われた部分の面積を言います。

分かりにくいので図にしてみます。塗りつぶした部分が登記される床面積です。
【内法面積(区分所有建物の登記)】

【壁芯面積(区分所有建物の”分譲パンフレット”及び区分所有以外の建物の登記)】

以上のように、常に壁芯面積>内法面積です。
つまり、マンションの分譲パンフレット等に記載されている専有面積が50㎡ギリギリや50㎡をわずかに上回っている程度の場合は、登記される床面積が50㎡未満となってしまい軽減措置を受けられない可能性があるというわけです。

甲区の登記~所有権の移転登記

今度は、すでに登記されている土地や建物を購入して、前の所有者から自分に所有権が移転されたことを示す登記をする場合です。建物や土地の所有権移転登記に課税される登録免許税の税率は、その原因毎に定められています。

(1)売買・贈与または相続人以外の者に対する遺贈

土地は2021年3月31日までは1.5%、2021年4月1日以降は2.0%
建物は2.0%。ただし一定の条件を満たす中古住宅の移転登記は0.3%。
ここでいう一定の条件とは、以下の条件を満たす中古住宅を言います。

①自己居住用の住宅
②取得後1年以内に登記されたもの
③耐火建築物は25年以内、木造等の耐火建築物以外は20年以内に建築されたもの。
④登記床面積50㎡以上

 

③について、指定された年数を超えている場合には、その住宅が新耐震基準に適合していることについて証明されたものや、既存住宅売買瑕疵保険に加入している一定のものであることが定められています。またこの新耐震基準に適合する証明は、登録事務所に属する建築士に「耐震基準適合証明書」として発行してもらえます。申請者は原則として売主です。

尚、長期認定優良住宅の認定を受けている建物であれば、共同住宅で0.1%、戸建住宅で0.2%の税率になります。認定低炭素住宅であれば、共同住宅でも戸建住宅でも0.1%です。

 

(2)相続または相続人に対する遺贈によるもの

この場合、税率は土地も建物も同じで0.4%です。

尚、これらの税率を適用して計算した登録免許税の金額が1,000円未満の場合は、登録免許税は1,000円になります。

これらの登録免許税については、不動産登記等の代行をしてくれる司法書士が詳しく相談に乗ってくれますから、一般的には司法書士からアドバイスをもらうことが多いでしょう。ただし他に司法書士に対する手数料を支払う必要はあります。

まとめ

以上が不動産の表題部及び甲区に関する登記をする場合に課税される登録免許税の概要ですが、登録免許税は期間限定で適用される税率が多く、また住宅の場合は特に軽減税率が適用される場面も多くなることから場合分けが多く、知らないと混乱しがちです。
実際に一般の方が住宅を買われる場合には不動産業者を介してのことが多いと思いますので、司法書士等を紹介してもらえることは多いと思いますが、買われる物件を十分把握して、最も有利な税率が適用されるようにしておきましょう。