相続税対策

生前贈与による相続税の節税①

相続税の節税には、相続税の対象財産を減らすのが最も有効です。対象財産を減らす方法のメジャーなものは、生前贈与をすることです。ここでは、基本的な生前贈与の方法と注意点を解説します。

生活費の援助と毎年110万円の贈与

生前贈与の最も単純な方法は、生活費の援助です。非課税となる生活費の援助については、民法上の扶養義務者(配偶者、直系尊属、卑属、兄弟姉妹)の贈与であること、生活費あるいは教育費の贈与であることが条件となります。金額については、社会通念上、生活費や教育費として認められる金額になります。結婚や出産、引っ越しなどの大きなイベントに関わる生活費の援助であれば、ある程度まとまった金額の援助も非課税になると考えられます。

さらに、贈与税には年間一人当たり110万円までの贈与税の非課税枠があります。贈与を受ける側単位で数えますので、贈与を受ける人が10人いれば、1100万円の非課税枠ができます。ただし、連年贈与には注意が必要で、毎年同額を贈与していくと、その合計額の贈与とみなされる可能性があります。これを防ぐには、毎年贈与契約を結んだ書類を残すことが必要となります。また、名義預金と言って、受贈者の名義であるが実質は贈与者が管理している場合には、贈与とみなされないケースがあるので、完全に受贈者に渡してしまうことが必要になります。
 

相続時精算課税制度は節税にならない

相続時精算課税制度とは、贈与税の金額を相続が発生したときに、相続税の金額と精算する制度です。このため、生前に非課税で相続人に財産を移転できるメリットがあるものの、相続後には相続税の支払いは発生することになり、まったく相続税の節税にはなりません。それどころか、この制度を選択利用してしまうと、生前贈与した財産はすべて相続税の課税対象とみなされてしまうので、上記の生活費の援助や贈与税の非課税枠110万も利用できないことになってしまいます。

まとめ

生前贈与の最も基礎的な方法は、生活費の援助と年間一人当たり110万円の非課税枠の利用です。連年贈与や名義預金には注意して否認されないよう、相続税対策に利用したいものです。相続時精算課税制度はまった相続税の節税にならないどころか、生前贈与の節税対策を自ら封じ込めることになり、損をしかねないので注意が必要です。

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