節税の基礎

減価償却を利用して節税

固定資産に設備投資した支出は、なるべく減価償却によって繰り延べずに支出したタイミングで費用化するのが節税のポイントですが、減価償却をしなければならなくても、それをうまく利用して節税する方法もあります。

繰り延べる期間を短くして節税(区分計上)

たとえば、事務所用の建物を新築で購入取得したとします。たとえば、鉄筋コンクリート造の事務所用建物の減価償却期間は、税法上50年と定められています。したがって、いったん取得価格に計上したら、50年かけて費用化していくことになります。しかし、50年かけて費用化するのでは、経費になる金額が少額です。1年間に計上できる費用の金額を少しでも大きくするには、取得時に価格を区分し、建物ではなく、附属設備として資産計上することが節税対策として重要になります。

具体的には、電気設備や給排水設備がこれに該当し、税法上の減価償却期間は15年です。電気設備には、エレベーターや照明設備、自動ドアなどが該当し、給排水設備は、建物にめぐらされたトイレなどの給排水設備が該当します。これは、請負契約書に明細があり、記載してあるので、それを下に総額の金額を区分することになります。工事業者によっては、区分を概算にしているケースもあるので、なるべく細かく分けてもらうことが必要です。

繰り延べる期間を短くして節税(中古見積など)

資産取得の費用を繰り延べる期間を短くしたいのですから、中古取得の場合、見積耐用年数などを利用するのも有効です。簡便法で見積もる場合は、以下の数式で算定します。

法定耐用年数―経過年数+経過年数×20%

また、合理的に見積るケースもあります。たとえば、他人所有の建物を賃貸借して内部造作を行った場合などが該当します。原則は、その建物の耐用年数を用いますが、鉄筋コンクリート造の建物に、木造で内部造作を作った場合などでは、本来は木造建物の耐用年数は22年であるところを50年としなければならないことになり、不合理です。この場合は、各造作の材質と金額を加重平均して合理的な耐用年数を見積もることになります。

特別償却によって通常の償却費に上乗せ

特別償却といって、政策的に通常の償却費に上乗せして減価償却できる制度を利用するのも減価償却を有効利用した節税方法です。平成30年現在、メジャーな特別償却は、中小企業者等の機械等の取得、特定中小企業者等の経営改善設備の取得、障害者を雇用する場合の機械等の割増などがあります。前記2者は30%の上乗せ、残り1つは24%の上乗せとなっています。中小企業者等は資本金又は出資金が1億円以下の青色申告法人をいうこととされています。経営改善設備の取得などは、認定経営革新等支援機関等による指導及び助言を受けた書類の添付などの要件があり、これらの特別償却の利用には取得時にあらかじめ一定の書類の交付を受ける必要があるので、取得前に手続を調べる必要があります。また、特別償却のほか、税額控除を選択することもできるので、どちらが有利か検討して選択すべきです。

まとめ

減価償却して費用を繰り延べなければならないからと言って、節税できないわけではありません。繰り延べる期間を短くする方法や、償却費に上乗せできる方法がありますので、是非利用すべきです。また、減価償却の方法は、取得時に償却期間と限度額が決定されますが、法人の場合、限度額の範囲内では任意に償却額を設定することができます。減価償却額をうまく調整して節税するようにしたいものです。

The following two tabs change content below.